- 「転職エージェントより直接応募のほうが有利」はデマ
- 転職エージェントを活用したほうが良い理由
- 直接応募をおすすめしない理由
- 転職エージェントで落ちたら直接応募でも落ちる?
- 転職エージェントを利用するなら直接応募は控えよう
- 転職エージェント経由で落ちた企業に直接応募することは可能
- 転職エージェント経由で落ちても、再応募で受かる可能性はゼロではない
- 転職エージェント経由で落ちた企業に再度応募する方法
- 一度落ちた企業の選考を受ける際の注意点
- 現時点で「採用基準を満たしていない」と感じたら
- 直接応募を検討したほうが良いケース
- 直接応募のやり方
- 直接連絡は企業側にばれる?問題になる?
- 転職エージェント利用時なら直接連絡は避けるべき
- エージェント経由で応募した企業から直接連絡が来た際の対処法
- 転職エージェントを通さず企業が内定連絡をする背景
- 企業からの直接連絡で一番損をするのは「求職者」
- まとめ
「転職エージェントより直接応募のほうが有利」はデマ
中途採用の求人には、「転職エージェント経由よりも直接応募したほうが企業の採用コストが安いため、採用されやすい」という話を聞いて、求職者の中には直接応募のほうが選考が有利に進むと考えている人もいますが、実際にはそれは誤解です。
応募先の企業によって、選考が有利に進むかどうかは変わってきます。
希望する転職先によっては、転職エージェントを使うほうが有利になる場合もあるため、基本的には転職エージェントを利用することをおすすめします。
企業は採用コストより人材の質を重視している
転職エージェントを経由して採用する理由は、高いスキルや意欲、実績のある人物を採用したい場合や、応募者の条件や実力をきちんと見極めた上で紹介してもらえるためです。
採用も投資活動の一環であり、採用コストが安かったとしても、採用して売上や利益を上げられる人材でなければ、固定費が増えるだけでマイナスとなってしまいます。
転職エージェントという客観的な視点で自社に合いそうな求職者を紹介してもらえることで、より定着と活躍性の高い人材を確保できると考えている企業もあります。
そのため、「採用コストが低い=転職に有利」とはならず、「直接応募なら企業側の期待値が低くなり、選考が通りやすくなる」ということもありません。
直接応募を精査していない企業がある
コーポレートサイトからの求人応募に対して、多くの企業では全ての書類を精査することはできません。
特に、応募者が殺到してしまう大手企業や人気企業はその傾向があります。
そのため、採用担当者は選考書類を精査する時間が限られており、応募者の学歴や実績によって一定の足切りを行っています。
ただし、企業が求める人材像に合致した人材であれば、転職エージェントを経由して応募した場合と同様に選考が進むことがあります。
直接応募のほうが入社意欲もアピールできる?
採用担当者の中には、「直接応募のほうが入社意欲が高い」と考える人もいますが、入社意欲が高いだけでは採用の決定打になりにくいです。
応募者の入社意欲より、自社で活躍できるスキルを持っているかどうかが重要です。また、応募者が自社のことをあまり理解できていないと、入社後にミスマッチが起こる可能性も高まります。
そのため、「業務内容を理解しているか」や「社風と求職者の人柄が合うか」のほうが重要とされることも多いです。
直接応募は書類選考が通りやすい?
企業によっては、書類選考に手間と時間をかけられないため「○○大学卒以上の学歴」「○○の実務経験が3年以上」などボーダーラインを設けているところもあります。
つまり、「学力は高くないけどヒューマンスキルが高い」という方の場合、書類選考だけで落とされてしまう可能性があります。
そのため、転職エージェントを通じて紹介された場合、採用担当者は書類の内容だけでなく、人物像やスキルについても確認することができます。
転職エージェントを活用したほうが良い理由
転職エージェントを活用する理由は以下の通りです。
選考対策、書類作成の手伝いをしてもらえる
転職エージェントを利用するメリットとして、応募書類作成の手伝いから添削、模擬面接までサポートしてくれることが挙げられます。
そのため、自信がない方でも応募企業のニーズに沿った書類を作成することができます。
また、自分自身が「たいした実績でない」と思っていることでも、応募先企業から評価されることがあるため、転職エージェントに相談することで必要な情報を過不足なく書類に盛り込むことができます。
推薦状を書いてもらえる
転職エージェントを活用することで、推薦状を用意することができます。
推薦状は、転職先に対して、過去の職場での業績や人物像などを紹介することができます。推薦状を用意することで、応募者の評価を高めることができます。
また、転職エージェントを通じて推薦状を用意する場合、推薦者との連絡をエージェントが取り、スムーズに推薦状を作成することができます。
年収交渉してもらえる
応募者が企業に対して年収の交渉を行いにくい場合がありますが、転職エージェントを活用することで、担当者が交渉を代行してくれるため、応募者自身が交渉するよりも成立しやすいです。
内定者の年収が高ければ、紹介料も高くなるため、担当者は応募者の評価を下げることなく、丁寧に年収交渉に挑みます。
面接日や入社日の交渉を任せられる
面接日や入社日の調整は、ビジネスメールのマナーや細かい気配りが必要なものです。
詳しくない方の場合、採用担当者から誤解されてしまう可能性があります。
そのため、転職エージェントの担当者が代行して調整することで、スムーズに日程を調整できます。
また、有給が取りにくい場合やオンライン面接を希望する場合など、特別な要望がある場合は、転職エージェント担当者に相談することをおすすめします。
面接のフィードバックをしてもらえる
転職エージェントを経由して採用面接を受けると、後から面接のフィードバックが受けられます。
転職エージェント担当者が企業に対して「紹介した人物の感想」を確認し、その情報を教えてくれるからです。
このフィードバックを参考に、二次面接や最終面接に向けて対策を練ることが可能です。
例えば、採用に至らなかった原因を把握し、次回の面接で改善することができます。
また、その選考で得たフィードバックは、他の企業の面接でも役立つことがあります。
直接応募では知りえない非公開求人に応募できる
直接応募する場合は、求人サイトや企業の自社サイトに掲載されている求人にしか応募できません。
転職エージェントに登録すると、公開されていない非公開求人も紹介してもらえる可能性があります。転職エージェントによっては、保有している求人の8割程度が非公開求人というところもあります。
求人が公開できない理由としては、「重要プロジェクトのため公開したくない」「少人数採用だから公開しない」「信頼できる転職エージェントにだけ依頼したい」といったものがあります。
直接応募をおすすめしない理由
直接応募をおすすめしない理由は以下の通りです。
複数の選考に応募する場合、スケジュールが合わせにくい
転職エージェントを活用することで、求人情報にアクセスできるだけでなく、面接日や入社日の交渉を代行してもらうことができます。
これにより、複数の企業の選考スケジュールを調整することが容易になります。
一方、直接応募を行う場合は、企業のスケジュールに合わせる必要があるため、複数の企業の選考スケジュールを合わせることが難しい場合があります。
選考に直接関係がない要素が評価されることがある
企業が直接応募をおすすめしない理由の一つに、選考に直接関係がない要素が評価されることがあるという点が挙げられます。
例えば、履歴書の書き方や面接のマナーなど、求職者のスキルや能力とは直接関係がない要素が評価されることがあるため、採用選考が公正に行われない可能性があります。
一方、転職エージェントを通じて応募する場合は、エージェントが求職者のスキルや能力を正確に伝えることができるため、公正な採用選考が行われやすくなります。
入社後ミスマッチの危険性が高くなる
企業が直接応募をおすすめしない理由の一つに、入社後のミスマッチの危険性が挙げられます。
求職者が企業の情報を収集することができない場合、入社後に企業の文化や価値観と自分自身の合わないことが分かる場合があります。
転職エージェントを通じて応募する場合、エージェントが求人企業の情報を提供することで、求職者が入社前に企業の情報を収集し、自己の適性と企業の文化や価値観が合致しているかどうかを判断することができます。
配属や年収などの交渉がしづらい
転職エージェントを経由しない場合、企業と直接やり取りをすることになります。
しかし、企業側は求職者と直接やり取りすることに不慣れであり、配属や年収などの交渉がしづらいことがあります。
そのため、転職エージェントを通じて応募することで、交渉の円滑化を図ることができます。
転職エージェントで落ちたら直接応募でも落ちる?
では、実際に転職エージェント経由で不採用になった場合、直接応募でも落ちるのかどうかについて考えていきます。
一次面接で落ちたなら不採用が濃厚
転職エージェントの書類選考に通過しても、企業の一次面接で落ちた場合は、直接応募しても落ちる可能性が高いです。
企業の採用担当者が応募者のスキルや経験を確認して、不採用と判断したからです。
応募者データは管理されており、選考基準が変われば選考に通過することは稀にありますが、求人サイトなど他の媒体から応募しても、企業側に不採用だった人材ということは分かってしまいます。
転職エージェント書類落ちなら直接応募の書類は通る可能性がある
転職エージェントに履歴書などを提出して不採用となった場合でも、応募企業に直接応募すれば通る可能性があります。
ただし、転職エージェントと応募企業の選考基準が違うことがまれにあるため、自分がどの段階で落ちたのかを把握することが大切です。
転職エージェントは、企業から「こういう人がいたら紹介してほしい」と頼まれているため、自社の選考基準に基づいて0次選考を行います。応募者が企業の求める条件を満たしていない場合は、書類で落とさざるを得ません。
ただし、転職エージェントと応募企業の選考基準が違うケースもあります。
転職エージェントで不採用となった場合でも、応募企業では書類選考を通過することができる場合があるため、自分がどの段階で落ちたのかを確認することが大切です。
時期をずらせば受かることも
転職エージェント経由で不採用となっても、直接応募する時期をずらせば受かる可能性があります。
応募企業の選考基準が変化することもあるからです。
以前まで「ハイスキルの人材が欲しい」と決めていたとしても、人手不足の影響などで「幅広い人材を採用しよう」と方向転換をはかることがあります。
そのタイミングを狙って応募すれば、採用される可能性もあります。
転職エージェントを利用するなら直接応募は控えよう
少しでも転職エージェントを利用する可能性があるのなら、求人に直接応募するのは控えましょう。
直接応募したうえで転職エージェント経由で応募してきた人がいた場合、転職エージェント経由の応募は無効とされ、直接応募として扱われます。
そのため、同時に直接応募と転職エージェント経由の応募をすることはできず、また、直接応募した企業の選考を途中から転職エージェント経由に切り替えることもできません。
さらに、同じ求人には1年以上経過しないと再応募することができないため、その点にも注意が必要です。
ただし、転職エージェントに相談したけれど希望の求人が見つからなかった場合や、転職エージェントのサポートを受けるよりも直接応募のほうがメリットが大きそうな場合には、直接応募を検討してみてください。
転職エージェント経由で落ちた企業に直接応募することは可能
転職エージェントを通じて応募した企業に一度落ちた場合でも、同じ企業への再応募を禁じるルールはありません。
そのため、自分で直接応募して再チャレンジすることは可能と言えます。
また、転職エージェントを経由して不採用になった場合、企業の選考で落ちるケースのほか、転職エージェント内の書類選考の段階で落ちている場合もあります。
転職エージェント内の書類選考で落ちた場合
転職エージェントは、企業の求める人材像や募集要件を把握・理解した上で、マッチする人材を紹介します。
転職エージェント内での判断によって、経験・スキルが応募企業の採用基準に満たない場合や、他の候補者の方がマッチしている場合などは、企業に応募書類を送付していない可能性があります。
そのため、企業の人事担当者が選考を行っていない場合があるため、直接応募をすることで転職エージェント経由の応募とは判断が異なる可能性もあると言えます。
企業の書類選考や面接で落ちた場合
転職エージェントの推薦を受けた後にも、企業による書類選考で落ちるケースもあれば、面接で落ちるケースもあります。
こうした場合は、企業の人事担当者が「採用基準にマッチしていない」と直接判断しているため、再度応募しても受かる可能性は低いと考えた方が良いでしょう。
ただし、諦めずに自分自身に足りないスキルや経験を身につけ、再チャレンジすることで、受かる可能性を高めることができます。
転職エージェント経由で落ちても、再応募で受かる可能性はゼロではない
転職エージェント経由での選考に落ちた場合、応募企業が求める人材にマッチする自分の強みをアピールできていなかった可能性があります。
応募書類や面接で語る内容をよりブラッシュアップしていくことで、採用の確率を高めることができます。
また、直接応募の場合、企業内の人事担当者や現場の管理職、役員などが選考を行うため、評価の際に見るポイントが変わる可能性もあります。
経験・スキルが採用基準に満たなくても、自社の企業文化にマッチしている人材を優先するケースもあれば、現場の意見をもとに「経験者よりも未経験者を育てていきたい」と考えているケースもあります。
転職市場や事業展開の状況などによって企業の選考基準自体が変化している可能性もあるため、再応募によって受かる可能性もゼロではありません。
ただし、一度落ちている以上は、転職エージェント内、もしくは企業内において「採用の基準を満たしていない人材」と判断されています。
直接応募の場合でも再度落とされる可能性は少なくないので、それも踏まえた上で再チャレンジした方が良いでしょう。
転職エージェント経由で落ちた企業に再度応募する方法
転職エージェント経由で落ちた場合でも、もう一度企業に応募することはできます。
ただし、エージェントが応募書類を提出した場合には、応募方法が異なることがあります。
企業サイトの採用ページから直接応募する
採用ページに求人情報が掲載されている可能性があるため、企業サイトの採用ページもチェックしてみましょう。
また、転職エージェント経由で落ちた部署や職種以外にも、他の求人情報が掲載されているケースがあります。
応募する際には、人事部署の担当者宛に指定された応募書類を送付する必要があります。
転職サイトの求人ページから直接応募する
転職エージェントを使わずに直接応募する場合、転職サイトに掲載されている求人情報を会社名で検索することで、他の部署や職種などの求人情報も見つけることができます。
応募には求人サイトへの登録が必要で、企業ページの応募フォームに必要な書類を送付する必要があります。
リファラル採用の制度を利用する
転職エージェント経由で落ちた企業に再度応募する場合、リファラル採用の制度を利用することが有効です。
リファラル採用とは、既存の社員が知り合いや友人を紹介することで、その人物を採用する制度です。リファラル採用は、応募者にとっても採用企業にとってもメリットがあります。応募者は、採用企業についてより詳しく知ることができ、採用企業は、社員による紹介によって採用した人材の質が高いことが期待できます。
リファラル採用を利用するためには、採用企業に社員がいることが必要です。また、社員に直接連絡することで、推薦状を依頼することもできます。
ただし、リファラル採用は社員の信頼や人脈に依存するため、必ずしも成功するとは限りません。
転職エージェントに再度応募したい熱意を伝える
一度転職エージェント経由で不採用になってしまった場合でも、再度応募したいという熱意を伝える方法があります。
転職エージェント内の選考で落とされた場合は、自分が本当にその企業で働きたいという思いをしっかりと伝えることで、推薦してもらえる可能性があります。
また、企業の選考まで進んだ上で不採用になってしまった場合でも、転職エージェントを通じて自分の熱意や人柄、ポテンシャルを企業側に伝えてもらうことで、再選考を受けることができる場合があります。
ただし、再度応募する際には、前回の面接でのフィードバックや改善点を踏まえ、再度応募書類を作成することが大切です。
また、転職エージェントが求人企業にアプローチする際には、再度応募したい熱意を伝えることが重要です。求人企業は、熱意のある求職者を歓迎する傾向があります。
一度落ちた企業の選考を受ける際の注意点
一度落ちた企業の選考を受ける際には、以下の注意点を考慮することが重要です。
転職エージェントに「落とされた段階と理由」を確認する
転職エージェントから不採用の連絡を受けた場合でも、「どの段階で選考に落ちたのか」を確認し、その理由も詳しく聞いておくことがおすすめです。
落とされた理由をもとに改善・修正した方がいいことを把握し、直接応募する際の書類作成や面接対策に活かすことができます。企業の選考基準が変わることもありますので、応募企業の方針に合わせて対策を練ることが大切です。
応募書類をブラッシュアップする
応募書類の再利用は避け、企業の募集要件に合わせた新しい書類を作成することが大切です。
自分の経験やスキルを棚卸しし、転職エージェント経由で不採用となった際の理由や修正点を考慮しながら、企業が求める人物像に合わせたアピールポイントを明確にすることが重要です。
さらに、志望動機書や実績一覧のポートフォリオを作成し、応募書類に添付することで自分の熱意や能力をアピールできます。
面接対策をしっかりと行う
面接対策は重要です。アピールしたいポイントを整理し、練習することが大切です。
特に、転職エージェント経由で応募した際には、面接選考で落ちた場合には、改善すべき点を把握した上で練習すると良いでしょう。
友人に模擬面接をしてもらう、動画を撮影して確認するなどの方法で、改善ポイントを把握しやすくなります。
現時点で「採用基準を満たしていない」と感じたら
自分の経験・スキル・実績では、応募企業の採用基準を満たしてない」と感じた場合は、一度転職して必要な経験を積んだり、スキルを身につけたり、実績を作ったりすることで再チャレンジする方法もあります。
また、現職でも応募企業にアピールできるような実績を積んでおくことで、今後の選考通過率を高めることができます。
資格取得を推奨している企業の場合は、入社後の業務に役立つ資格を取得しておくことも評価につながりやすいでしょう。
直接応募を検討したほうが良いケース
以下の場合は、直接応募を検討したほうが良い場合もあります。
公的企業への転職
NPOやNGO、学校法人、財団法人、JICAなどの公的企業は、採用コストが高く転職エージェントに依頼する余裕がないため、自社ホームページでの募集が中心の場合が多いです。
このような企業を希望する場合は、直接応募する方が良いでしょう。
ただし、公的企業でも、求められる資格や能力を満たしていない場合は不採用となる可能性があるため、求人情報をしっかりと確認することが必要です。
大手企業や有名企業への転職
一部の外資系IT企業などは、リクルーターという採用専門職種を内製して、Linkedinなどのスカウト媒体を利用しての採用が主流になっています。
エグゼクティブクラスはヘッドハンティングで、若手メンバークラスの場合は転職エージェントを使わず公募やスカウトで採用するケースが多いです。
また、大手メーカーや総合商社、メガバンクなどは、中途採用の枠自体が少ないため、公募・エージェント問わず、定期的に採用ページを確認し求人が出ていないか確認しつつ、タイミングを逃さずに応募する必要があります。
ただし技術者や専門職に関しては、その技術を有している人をピンポイントで転職エージェントで探したり、ヘッドハンティングしていたりするので、転職エージェントへの登録もしておくと良いでしょう。
大量採用が多い業界への転職
大量採用を行う企業では、転職エージェントよりも自社の採用ページや転職サイトでの求人掲載に力を入れているケースが多いです。
特に、利益率の低い業界や美容・小売業界、ソルジャー枠として営業職を採用する業界などがその傾向にあります。
ただし、近年は上記のような業界でも転職エージェントを利用する企業が増えており、採用予算が潤沢で支払い能力がある優良企業が転職エージェントを利用することが多いです。
そのため、転職エージェントも併用することで、そういった優良企業の求人に出会えるチャンスは増えるかもしれません。
ベンチャー企業への転職
従業員数30名以下のベンチャー企業は、事業がまだ軌道に乗っておらず、採用コストをかけられない傾向があるため、正式な求人募集を行わないことがあります。
また、大企業や有名企業よりも知名度が低く、転職したい人材が少ないのが実情です。
そのため、ホームページからの直接応募があれば、「とりあえず会ってみよう!」となるため、求職者は面接へと進みやすくなります。
さらに、WantedlyやLinkedInなどの新しい採用手法を利用しているベンチャー企業も多いため、合わせてチェックすると良いでしょう。
事務職で転職する
事務職は他の職種と比較して求められるスキルが低いため、企業は必要以上に採用コストをかけたくないと考えている場合があります。
そのため、事務職に限らず、直接応募で採用することが多いです。
ただし、数名の枠に大勢の応募が殺到するのを避けたい場合や、経理など特定の専門スキルを持った人材を採用したい場合は、転職エージェントに求人を依頼していることがあります。
事務職やバックオフィスの仕事でスキルアップ・キャリアアップしたい人は、転職エージェントの併用を検討することをおすすめします。
地方の中小企業への転職
中小企業の場合、転職エージェントを利用するカルチャーがあまりない、高い報酬を払えないなどの理由から、公募が中心になることが多いです。
特に地方の中小企業やメーカーの2次請け・3次請けの企業に関しては、この傾向が顕著です。
そこで、地元の中小企業の求人を豊富に保有しているのはハローワークです。
地元の中小企業に転職を検討している人は、ハローワークの利用がおすすめです。
直接応募のやり方
企業によって直接応募の有利不利は異なるため、適切な対応が必要です。
そのためには、転職エージェントを頼らず自己分析や企業研究、面接対策を徹底的に行うことが大切です。
面接官に魅力的な人材だと思ってもらえるよう、自分ですべての準備や対策を行いましょう。
以下で、直接応募で内定を獲得するために必要な自己分析や企業研究、面接対策について詳しく解説していきます。
自己分析を徹底的にやる
自己分析は転職対策だけでなく、転職先を選ぶ際にも重要です。
なぜなら、自己分析を怠ると、自分がどんな仕事をしたいのか分からず、求人情報を無差別に収集してしまうことがあります。
そのため、転職先選びでミスマッチが生じる可能性が高くなります。
また、自分のスキルや強みを把握できない場合、自己PRや志望動機を上手く伝えられず、面接で不採用になることがあります。従って、自己分析を徹底的に行うことが重要です。
企業研究をやる
企業研究は、選考対策において重要な要素です。
企業について詳しく知らなければ、志望動機を考えることも、面接で評価される回答をすることもできません。
転職活動は、現状に対して何かしらの不満を持っているから行うものです。
その不満を解消できるのか、目的を実現できるのかを検証するための情報が必要になります。
たとえば、新規営業をやりたい場合、求人企業での新規営業と既存営業の割合がどの程度なのか、調べておくことが必要です。
面接対策を入念にやる
面接で面接官が知りたいのは「うちで長く働いてくれそうか(=定着性)」と「うちで成果を出してくれそうな人材か(=活躍性)」の2つです。
面接対策をする上では、これらの視点を理解し、自分のやりたいこと、退職理由、転職先の選定要件、自分の強みや実績を話せるようにまとめておくようにしましょう。
面接官は応募者が自社の社風とマッチしているのかを判断するために、価値観に関する質問を中心にします。
そういった質問に答えられるように、自分がどういう人間なのかを回答するための材料を自己分析によって洗い出し、整理しておく必要があります。
直接連絡は企業側にばれる?問題になる?
状況によって異なりますが、直接応募する場合に企業側に連絡がバレることは一般的には問題にはなりません。
ただし、現在勤めている会社に内密にしたい場合や、転職エージェントを通じて応募する場合よりもプライバシーを確保したい場合は、匿名転職サービスを利用することもできます。
転職エージェントと企業間で信用問題に発展する
転職エージェントと企業の間にある信頼関係に関して、理由として挙げられるのが、転職エージェントが企業の代理として求職者の採用業務を行っていることです。
代理業務により、転職エージェントは求職者の採用が決まった際に、企業から報酬を受け取ることができます。また企業側はエージェントを利用することで、採用業務の負担を軽減することができます。
そのため、エージェントを通さずに直接企業に応募することは、エージェントが代理業務をしていないという不満を持たれてしまう原因となります。
さらには、企業側からエージェントへの信頼度が下がることにもつながりかねません。
採用活動の公平性が保てなくなる
2つ目の理由は採用活動の公正性が損なわれる恐れがあることです。
企業は採用活動にあたって、求める人物像やスキル・経験などの採用基準をあらかじめ設定しています。
これは面接を実施する面接官によって評価にばらつきが出ないようにするためのものです。
しかし、応募者が直接企業にコンタクトを取ってしまうと、企業側が採用基準に沿って公正に選考を行うことが困難になる場合があります。
また、面接以外の印象も選考の評価に影響してしまうことがあります。
そのため、採用の公正性が保たれなくなってしまうことにつながります。
転職エージェント利用時なら直接連絡は避けるべき
転職エージェントを利用する場合、急いでいても直接企業に連絡することは避けるべきです。
企業側がエージェントを通じて採用選考を行うことに合意している場合、エージェントを通じて連絡を取ることが求められます。
直接企業に連絡すると、エージェントを通じた採用選考が妨げられる可能性があります。
また、企業側からの連絡があった場合も、必ずエージェントを介して対応するようにしましょう。
エージェント経由で応募した企業から直接連絡が来た際の対処法
エージェント経由で応募した企業から直接連絡が来た場合、以下のような対処法があります。
転職市場で「信頼関係」を守れないのは致命傷
人材紹介事業は、「転職エージェント」と「求職者の方」、「エージェント企業」と「クライアント企業」、そして「求職者の方」と「クライアント企業」それぞれの「信頼関係」で成り立っています。
特に「エージェント企業」と「クライアント企業」は契約書を交わしています。
その信頼関係の中で、エージェントはお金をかけて良い人材を見つけて、その人を見極めて企業へ紹介して、入社に至れば採用企業から報酬を受けるこういう流れで転職を決めています。
契約の中で進めている以上、「求職者の方に直接連絡する」ことはこの契約に違反しています。
採用する企業が、求職者に直接連絡をして良いのは、内定を承諾した後、エージェントが合意した場合、この2つの場合のみです。
転職エージェントを通さず企業が内定連絡をする背景
転職エージェントを通さずに企業から直接内定連絡が来る理由として、以下の理由が考えられます。
エージェント利用がコストカットになるのを忘れており、報酬を支払いたくないから
企業が直接応募者に連絡するのは、エージェント利用がコストカットになるのを忘れており、転職エージェントへの報酬を支払いたくないため、転職エージェントを介さない場合があります。
しかし、転職エージェントを利用することで、選考の効率化や適正な人材の紹介を受けることができます。
また、企業側も自社で採用する場合、広告掲載費や管理システム費、人事労務費などのコストがかかります。転職エージェントを利用することで、コスト削減ができます。
つまり、企業側と転職エージェント企業の関係は双方にとってメリットがあるのです。
しかし、こういう企業は、担当エージェントには「不採用」と伝え、本人と水面下で直接連絡をとって入社させていると思われ、信用性がありません。
個人情報をずさんに扱っている
直接連絡をする前に、履歴書に書いてあるからといって個人情報を提供することは個人情報保護法23条(第三者提供の制限)に違反しているため、注意が必要です。
転職エージェント企業もクライアント企業も、選考のための個人情報の提供は求職者の許可を得て行われています。直接連絡をする場合は、求職者自身の許可を得ている必要があります。
個人情報をずさんに扱っている企業は、社員の扱いも雑で危険です。
また、転職エージェントも求職者の許可を得ずに企業に紹介することは法律違反です。
コンプライアンス(法令遵守)が守られない
直接連絡することが違反だと認識していない企業はエージェントだけでなく、取引先と契約を交わした場合、その内容を破ることは信用を失い、契約解除、損害賠償請求などの深刻な問題を引き起こす可能性があります。
そのため、このような企業のコンプライアンス(法令遵守)には疑問が残ります。
実際に入社してみると、労働基準法を無視した過重労働やパワーハラスメント、モラルハラスメントなどが蔓延している企業も可能性も否定できません。
経営状態の悪さを隠している
企業が直接求職者に連絡する理由として、転職エージェント企業への報酬を払いたくないのではなく、「払えない」経営状態である可能性があることも考えられます。
多くのクライアント企業は、契約内容通りに支払いを行っていますが、その中で、直接求職者に連絡するほどのリスクをとることは普通ではありません。
同様に、本業でも信頼を失うことを平気でするような、経営状態があまり良くないこと企業だという可能性も考えられます。
企業からの直接連絡で一番損をするのは「求職者」
エージェントを介さず直接連絡をしてくる企業は、「契約で約束した内容を守れない企業」ということで志望度が高くても注意が必要です。
話に乗ってしまうと後でしっぺ返しを食らうことになるため、長引く転職活動を恐れず、慎重に判断することが大切です。
まとめ
- 転職エージェントと直接応募するどちらが有利かは、状況によって異なります。
- 転職エージェントを利用するメリットとして、求人サイトや企業の自社サイトに掲載されていない非公開求人を紹介してもらえる可能性があることや、応募書類作成の手伝いから添削、模擬面接までサポートしてくれることが挙げられる
- 応募者が企業に対して年収の交渉を行いにくい場合があるが、転職エージェントを活用することで、担当者が交渉を代行してくれるため、応募者自身が交渉するよりも成立しやすい
- 転職エージェントを経由して採用面接を受けると、後から面接のフィードバックが受けられるため、次回の面接で改善することができる。最終的に採用されなかった場合でも、自分自身の成長に繋がる貴重な情報を得られるため、転職エージェント経由での採用面接をおすすめ
- 転職エージェント経由で不採用となっても、直接応募する時期をずらせば受かる可能性がある。応募企業の選考基準が変化することもあるため
- エージェントを介さず直接連絡をしてくる企業には注意が必要
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