Jターン転職って何？
最近よく聞くようになったJターン転職。一体どのような転職を指しているのでしょうか。
地元には帰らずに付近の地方都市へ移住すること
Jターン転職とは、大学進学や就職を機に都市部へ移住したものの、転職のために地元に戻らずに付近の地方都市に移住して働くことを指します。
Jターン転職は難しいの？
Jターン転職（というか地方転職）は一般的に難しいと言われています。
難しいと言われている理由には以下のようなものがあります。
- そもそも求人数が少ない
- 自分の希望に合う求人を見つけるのはより困難
- 面接のために地方まで行かないといけない
在職中に地方転職を行うのはかなり難しそうです…。
Jターン転職はより増える
難しいと言われるJターン転職ですが、今後はこのような転職が増えていくと予想されています。
今回はJターン転職の良さを紹介していきます。
コロナ禍でJターンが注目されている
コロナ禍は私たちの生活に大きな変化や改革を起こしました。転職業界においても、それは同じです。
東京一極集中に変化
従来、東京都心に集中していた産業が地方都市にも広がり、地方への人口流出が起こっています。
これは、コロナ禍によってリモートワークが普及したことが一因とされています。
特に、都市部の高い生活費や交通費の負担から、地方都市への移住を希望する人が増えているようです。
働く場所の多様化
コロナ禍でリモートワークを行う企業が増え、働く場所が多様化しました。
それまでは決められた時間に決められた場所で働くことが一般的でしたが、コロナ禍で出社ができなくなり、リモートワークをせざるを得ない状態になったことで、新しい働き方を積極的に行う企業も増えました。
コロナ禍が明けつつある現在でも、引き続きリモートワークを行っている企業もあります。
Jターン転職で地方都市に移住するメリットは？
ここでは、Jターン転職で地方移住をするメリットをご紹介します。
住宅費が安い
地方に移住する最大のメリットのひとつは、住宅費が安いことです。
都市部では高額な家賃がかかることが一般的ですが、地方に移住することで、同じような家賃で広い家に住むことができます。
交通の便がいい
地方と一口に言っても、田舎は交通の便が良くありません。
しかし、Jターン転職で移住するのは地方都市。
地方都市は比較的交通網が発達しており、不自由に思うことは格段に少なくなります。
子育てがしやすい
地方には、都会にはないような自然環境や、のんびりとした暮らし方があります。
また、都市部と比べて家賃が安いため、広い家に住むことができることが多いです。
これらの環境は子育てにとって非常に良い影響を与えます。自治体によっては子育て支援を行っている場合があり、子育て環境が整っている地方都市もあります。
兵庫県明石市は子育て支援が手厚いことで有名ですね！
ワークライフバランスが取れた働き方が可能
Jターン転職をすることで、自分が望むワークライフバランスが取れた働き方が可能になります。
例えば、都市部での長時間労働や通勤時間のストレスから解放され、余暇を充実させることができます。
また、地方都市では、自然や文化に触れる機会が多くあり、自分自身がリフレッシュできる環境が揃っています。
自治体の支援を受けられる
Jターン転職をする場合、自治体が支援を行っている場合があります。
例えば、転職支援金や、地方に移住したい人を募集するイベントの開催などが挙げられます。
自治体のホームページや、転職エージェントのサイトなどで情報を収集し、積極的に利用することがJターン転職を成功させるための一つのポイントです。
満員電車に乗らなくていい！
地方都市での通勤は、都市部と比較して車や自転車での移動が多くなります。
そのため、満員電車に乗らなくていいというのは、地方転職の大きなメリットのひとつです。
ストレスが減る
これらの理由から、地方都市は都会で感じていたストレスから解放され、快適に過ごせる可能性があります。
元々地方出身の人は、地方都市の方が肌に合うことも多いようです。
地域コミュニティが活発なところも
地方都市とは言っても、都会より地域内のコミュニティが活発なところがあります。
困ったときは周りの人が助けてくれることもあるでしょう。
Jターン転職で地方都市に移住するデメリットは？
Jターン転職で知っておくべきデメリットについても、紹介しておきましょう。
都会ほど娯楽が多いわけではない
地方都市には、温泉や観光地、美味しい飲食店、地域のお祭りなど、都会にはない魅力的なものがたくさんあります。また、自然環境が豊かで、アウトドアスポーツを楽しむこともできます。
しかし、都会にはたくさんあった商業施設は少なく、自分の好きな店舗が地方にはないことも珍しくありません。
休日に都会へ出てショッピングを楽しむ方も多いようです。しかし、都会より気楽に遊ぶことはできなくなるでしょう。
車がないと不便なこともある
地方都市によっては、公共交通機関の整備が不十分な場合があり、車がないと不便なこともあります。例えば、駅から自宅までの距離が遠く、バスの本数が少ないため、通勤や買い物に車が必要になることがあります。
また、冬場に路面が凍結しやすい地方では、車を持っていないと生活が困難になることがあります。
地方都市でも人間関係が密になりがち
地元出身の人同士が集まっている職場が多いため、新規参入者が入ると浮いてしまうことがあるかもしれません。
また、地方都市では都会よりも人が少ないため、一度悪い印象を持たれると、その後の人間関係にも影響を及ぼすことがあります。
新しい環境に慣れない
Jターン転職をする場合、新しい環境に慣れるまでに時間がかかることがあるため、ストレスを感じることがあります。
また、移住するとなれば慣れ親しんだ友人・知人がいないため、孤独を感じることがあるかもしれません。
しかし、新しい環境に慣れることができれば、地方都市での生活が充実することでしょう。
地元大学出身者の派閥が社内にある
Jターン転職をすると、地元大学出身者同士で集まっている派閥がある場合があります。
このような場合には、周りの人と積極的に交流することが大切です。
また、地元大学出身者にアプローチすることで、地域に根ざしたビジネスチャンスをつかむこともできるでしょう。
求人数が多くない
地方転職の最大のネックであるのが求人数の少なさ。
都会と比較すると地方の求人数は圧倒的に少ないです。そして勤務条件も都会ほど恵まれておらず、都市部で働いていた人にとっては物足りなく感じるでしょう。
これらのデメリットは考慮した上で地方転職を行いましょう。
Uターン・Iターン転職との違いは？
Jターン転職と似た言葉である「Uターン転職」「Iターン転職」について、その違いを説明できるでしょうか。
地方転職を考える人には必ず知っておいてほしい言葉ですので、ここではその違いを分かりやすくご説明します。
Uターン転職との違い
Uターン転職は、出身地や実家のある地方から都市部などへ出て働いていた人が、再び出身地や実家のある地方に戻ることを指します。一般的には、地元での生活や仕事に戻ることを意味しています。
大学進学を機に都市へ出てきたけど、就職の際に地元に帰る人も結構いますよね。
Iターン転職との違い
Iターン転職とは都市部から地方へ移住して働くことを指します。東京出身の学生が地方の企業へ就職する場合などに使います。
しかし、必ずしも都市部出身者にのみ使うことではなく、地元とは違う地域に移住する場合にも使われるようです。
どちらにせよ、「地元ではない別の地域に移り住むこと」を指すことは共通していますね。
最近は都市部ではなく、地方でゆっくりと暮らしながら働きたいと考える人も増えており、Iターンの動きが活発になっています。
最近聞くようになった「Oターン転職」とは？
地方出身者・都市部出身者に関わらず、一度地方へ移住したものの地方の生活に不満を感じてもう一度都心部へ移住することを指します。
田舎は都会よりも不便なことが多いのは事実です。また、地方独特の助け合いの精神や密な人間関係がわずらわしく感じる人も少なくありません。
【図解】◯ターンのまとめ
ここで３つの◯ターンのまとめを見てみましょう。
これらの現象は今に始まったことではないですが、このような言葉ができるということはそれだけ人々の関心が高まっている証拠でもあります。
Jターン転職に向いている人
Jターン転職に向いている人にはどのような人がいるのでしょうか。
これから紹介する特徴に当てはまった人はJターン転職をぜひおすすめしたい人です。
地元に就職先がない人
地元が田舎で、自分のやりたい仕事がそもそも存在していない人は地方都市への転職をおすすめします。
先ほどから何度も述べているように地方では求人数が少なく、自分の希望に合った求人を見つけることは難しいです。
しかし、あまりに田舎すぎると、そもそも求人が存在していなかったり、自分の実家の家業を継ぐことが前提になったりすることがあります。
このような人はJターン転職がおすすめです。
都会から離れたい人
「都会ほどうるさくなく、田舎ほど人に干渉してこない場所へ住みたい…」と思っている人はJターン転職が最もおすすめです。
都会の通勤ラッシュはそれだけでストレスがかかります。しかし田舎は何かと干渉してくる人が多くて嫌だと感じる人も多いです。そのような人にこそ、地方都市での就職はおすすめです。
親の介護を見据えている人
親の介護を見据えている人も、Jターン転職はおすすめです。
地方都市には、高齢者向けの施設が多くあり、介護のニーズに応えることができます。
また、都市部と比べて物価が安いため、介護に必要な費用を抑えることができる場合があります。
地方の文化や自然環境に興味がある人
地方には、都市部にはないような文化や自然環境があります。
歴史的な建物や美しい景色を見ることができる場所も多く、自然と触れ合うことができます。
また、地方によっては伝統的な行事や祭りが盛んに行われており、そのような文化に興味がある人はJターン転職を検討してみると良いでしょう。
地域に貢献したい人
地方の地域活性化に貢献したいと考えている人はJターン転職を検討してみてはいかがでしょうか。
地方都市では、地域の課題を解決するためのプロジェクトやイベントが開催されており、そのような活動に参加することで、地域の人々と交流を深めながら、社会貢献活動を行うことができます。
地方都市で子育てをしたい
都会と比べて保育園や幼稚園などの待機児童が少ないため、子育てに適した環境が整っている地方都市もあります。
Jターン転職をする前に注意すべきこと
Jターン転職に興味は湧いてきたでしょうか？それでは、Jターン転職をする前に注意すべきことを確認しておきましょう。
今の企業でリモートワークはできないか一応確認
今働いている企業で、リモートワークを行える可能性もあります。
その場合は転職をせずに地方移住し、リモートワークで働くというのも一つの手です。
転職をする前に退職するのは危険
転職活動はスムーズに進んだ場合でも、一般的に1～3ヶ月ほどかかると言われています。
しかし、これは都会での転職に限ります。ほとんどの場合、地方転職は長期化します。
理由は前述の通りです。その場合、今の会社を退職し転職活動を行うと、生活資金が底をついてしまう可能性があります。
会社を辞めて、転職活動に集中したい人は生活予備費を確保してから転職活動を始めましょう。
生活予備費の目安は以下の計算式から出します。
生活予備費＝1ヶ月の生活費×6ヶ月
車の免許が必須な場合もある
地方都市によっては、公共交通機関の整備が不十分な場合があり、車がないと不便なこともあります。
そのため、地方都市での生活を考える場合は、車の免許を取得しておくことをおすすめします。
給与・年収が下がる可能性が高い
これについては、特に家族のいる人はよく話し合っておく必要があります。
地方は都会よりも給与水準が低く、多くの場合年収が下がります。
もちろんその分生活費も減るのですが、年収が下がるのは精神的な負担もかかります。
移住までのスケジュールを立てる
移住する先が決まったら、内定から移住までのスケジュールを立てておきましょう。
移住で特に気をつけてほしいのが、引越し業者の手配です。
移住先によっては利用できる引越し業者が限られている場合もあります。また、冬〜春の新生活シーズンは引っ越しのピークになるため予約が取りずらくなります。
Jターン転職におすすめの転職活動
Jターン転職をする際は、「実際にそこでの生活を経験してみる」転職活動がおすすめ。
お試し移住
お試し移住は、地方の暮らしを体験することができるプログラムです。
通常は、1週間から1か月ほどの期間で、地元の人との交流や地域の文化に触れることができます。
地方都市での就職を検討している人にとっては、実際に住んでみることで、自分にあった地域を見つけることができるでしょう。
週末移住
週末移住は、都市部に住んでいる人が、週末や休暇を利用して地方都市に移住することを指します。都市部ではなく、地方での生活を楽しみたい人におすすめです。
通勤が必要な場合は、週末に移住することで、平日は都市部で働き、週末に地方で過ごすというライフスタイルが可能になります。
週末移住を通じて、地方都市の暮らしや文化に触れることができ、地方都市での就職を検討する上での参考になるでしょう。
ワーケーション
ワーケーションは、ワーク（仕事）とバケーション（休暇）を組み合わせた言葉です。仕事をしながらリゾート地などで過ごすことができる、といった意味合いがあります。
最近では、リモートワークが浸透したことにより、ワーケーションが注目を集めています。
国や地方自治体によるJターン転職支援
国や自治体ではJターン転職を支援する制度を行なっています。その中の一部をご紹介します。
東京から地方に移住する人が対象の「地方創生移住支援事業の支援金」
地方創生移住支援事業の支援金とは、国からの補助金と地方自治体からの助成金を合わせたもので、東京から地方へ移住する人を対象に、生活費や住宅購入費用などをサポートする制度です。
就職・転職の支援
各自治体では、企業とのマッチングイベントや求人情報提供、転職支援セミナー、就職・転職支援サイトの開設など、様々な支援が行われています。
地方自治体によって支援内容は異なりますが、転職希望者は自分の希望する地域の自治体のホームページを確認してみましょう。
子育て支援
各自治体では、子育てに関するさまざまな支援策が行われています。例えば以下のような支援があります。
- 子育て支援センターの開設
- 保育施設の整備
- 出産祝い金の支給
- 子育て家庭向けの助成金・補助金の支給
- 子育て支援講座の開催
地方都市によって支援内容は異なりますので、転職希望者は自分の希望する地域の自治体のホームページを確認してみましょう。
空き家バンク
空き家バンクは、簡単に言えば空き家を再活用するための仕組みです。
空き家を所有する人が情報を登録することで、空き家を活用したい人とつなぎます。
このようにして、地域の活性化や観光振興などにつながることが期待されています。
Jターン転職を成功させるためのPoint
Jターン転職を成功させるためのポイントを５つご紹介します。
Point１地方転職の知識をつける
地方転職について知識をつけることが、Jターン転職を成功させるためには非常に重要です。
地方都市での求人情報は都市部に比べて少なく、また求人票には詳細な情報が掲載されていないことが多いです。
そのため、自分がどのような条件で転職できるのか、どのような求人があるのかを把握しておくことが必要です。
Point２地域の情報収集
地方都市での生活に関する情報も収集しておくことが重要です。
地方都市は都市部に比べて物価が安く、自然に囲まれた環境での生活ができることが多いですが、一方で都市部に比べて文化的なイベントが少なかったり、交通機関が不便であったりすることもあります。
自分がどのような環境で生活したいのかを考え、そのような情報を収集することが重要です。
Point３実際にその地へ行って地域の人と触れ合う
週末移住やお試し移住などを利用して、実際にその地域の人と触れ合うのも効果的です。
地元の人たちと話をすることで、その地域での生活や求人情報についての情報を得ることができます。また、地元の人たちと交流を深めることで、地域に馴染んでいくことができます。
地域の人たちと交流するためには、地元のイベントやボランティア活動に参加することもおすすめです。
地域に根ざした活動に参加することで、自分自身がその地域に貢献することもできます。
Point４出身大学の就職課へ相談
出身大学の就職課に相談するのも一つの手です。
大学の就職課は、地方都市での求人情報を把握していることが多く、また地方都市での就職についてアドバイスを受けることができます。出身大学の就職課に相談することで、自分にマッチした求人情報を得ることができるかもしれません。
出身大学のOB・OGにアプローチすることでも、地方都市での就職についての情報を得ることもできます。
Point５転職エージェントを利用
転職エージェントは、求人情報を提供するだけでなく、履歴書の書き方や面接の対策など、転職活動に必要なアドバイスを提供してくれます。
また、地方都市での転職に関する情報を把握していることが多く、自分に合った求人情報を提供してくれることもあります。
地方転職に関するおすすめ記事・動画
ここでは、地方転職に関するおすすめ記事や動画をご紹介します。地方自治体や転職サイトでは随時地方の転職情報を発信しています。こまめにチェックして、情報収集をしておきましょう。
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マイナビエージェントの紹介記事はこちら！
まとめ
- Jターン転職は大学進学や就職を機に都市部へ移住したものの、転職のために地元に戻らずに付近の地方都市に移住して働くことを指す。
- Jターン転職は簡単ではないが、都会での暮らしに疲れた人や親の介護を考えている人にとっては魅力的な転職の仕方である。
- 給与が下がる、などのデメリットを十分に考慮した上で地方転職をすべきである。
- お試し移住や週末移住を利用し、具体的な移住後のイメージを持っておくと後悔がない転職をすることができる。
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